ドアパネルの修理のご依頼です。初めは玄関のドアに、お家を立て替えてからはリビングのドアにと、長年ご愛用されていたそうです。お客様ご自身で接着剤で補修するなどメンテナンスを続けられていたそうですが、突風であおられ急に閉まったことで大ダメージとなってしまいました。

赤〇はガラスが細かく割れているため交換としました。青〇は単線のひびなので、黒い線で隠すことでガラス交換より安く修理することができます。ただし余計な線が増えますので、お客様が気にされなければ、という条件付きになります。

また今回の破損は、パネルの強度不足も原因の一つなので、黄色の点線の位置に補強棒を追加することをご提案をしました。

このパネルは上の方が絵が細かく、下の方はすっきりとしたデザインで、横をまっすぐ通る線が無いのが特徴です。上品で洗練されたデザインですが、これらの特徴はドアには注意が必要なデザインです。

絵柄が細かいということは、その部分は鉛線が集中するため重くなります。それに対しシンプルな部分は鉛線が少ないため、荷重がガラスにもかかります。

このパネルの中の重さの差により、ドアの開閉で大きく揺さぶられる状態になります。

この揺れを防ぐためには横線を入れて補強が必要になるのですが、縦長のデザインを横切る線というのは、デザイン要素を分断してしまうことになるため、往々にして敬遠されがちです。

動かない窓はあまり気にしなくても良い点ですが、ドアにする場合、補強は必須と言えます。そのため、もともと補強が入っていないドアパネルの場合は、補強棒を追加する修理をお勧めしています。

どのガラスピースもすんなり取り外せない位置と形だったので、パネルをブロックごとに切り離して交換する、かなり難易度の高い修理となりました。

修理はお客様のご要望で、割れたガラスは全て交換しました。

余計な修理跡を残さず、すっきりとした元と同じ姿に戻りました。

ブドウの下の方に見える細い線が補強棒になります。厚み3mm、幅10mmの真鍮材なので、手前に少し飛び出す形となりますが、見た目にはそれほど影響しないと思います。

ひび隠しはブドウの両脇の葉っぱの下、白いガラスです。破損は右側のみでしたが、位置を合わせて左側にも線を入れ、元からの線のように見せています(笑)

今回の修理は

ガラス交換7ヶ所、ひび隠し2ヶ所、補強棒の追加1ヶ所、クリーニングとメンテナンス、引取、納品(シリコン施工含む) ※東京都武蔵野市

以上の処置をさせていただきました。

お客様には綺麗にしていただいて・・・と喜んでいただけました。

余談になりますが、費用も他の業者さんには作り直しを進められたくらいだったそうで、覚悟していたよりだいぶお安かった、そうです。

修理費用は、要するに作業上の手間をどのくらいと見るか、という点で違いが出ます。私どもは幸い修理の仕事が多いので、修理作業のノウハウは色々持っていると思います。その辺が費用の違いに反映されたのだと思います。

修理の際はぜひご相談ください。

工房紹介

虹工房代表  斎藤雅也

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STAINEG GLASS 虹工房

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